立ち向かってきたこと

先輩社員インタビュー

技術者は失敗を重ねることで<br>前に進むのかもしれない。
  • Interview

技術者は失敗を重ねることで
前に進むのかもしれない。

軸受事業部 ストラットベアリング担当

to face 立ち向かっていること
  • 提案型製品であるストラットベアリングの再開発
  • チームで開発することの可能性を拓くこと

1枚の板から作られたサンプルを見て心が動いた

就活では特にやりたいことがなかった。強いて言えば地元の大阪で働きたいってくらい。NKCは先に就活を始めていた友達に教えられた。「お前に合っていると思う」。理由はよくわからなかったが、大阪まで説明会に行った。ベアリングリテーナー業界シェア1位と聞いても「へえ」って思ったくらい。ただその後、1枚の鉄の板切れから立体的で複雑な構造物が生まれるという説明を聞き、実際のベアリングリテーナーのサンプルを見て心が動いた。「どうやってこんなん作るんやろ。これを自分で考えるって、面白そうやな」。ここがええな、自然とそう思えた。いま、希望通り金型設計をしている。入社後に聞いた話。自分が「金型の設計をやりたい」と言ったのを面接官が覚えていて、「やりたいことがあるんだったらその部署に行かせたらいい」となったらしい。そういうのはうちの社風だと思う。

社運をかけたストラットベアリングの開発。

ストラットベアリングという製品がある。NKCは携わって30年程度になり、日本だけでなく海外でも製造を行っている。NKCにとって重要なアイテムの1つ。そのストラットベアリングが価格競争の波に飲み込まれつつあった。技術力による優位性だけでは立ち向かえない。部門間を超えた開発チームがつくられ、そこに自分も呼ばれた。今までやったことのないチャレンジの連続。まず、軽量化とコストダウンを図るために、従来の製品から抜本的に仕様を変える。すると今度は耐久性に問題が生まれた。他にも想定外の故障が多発。期限が迫ってくる中、結果がでなければコンペにも参加できない。一方、競合他社はどうやら性能をクリアし、価格も安いという情報が入ってきた。そんな折、ようやく試作品が完成。チーム全員が見守る中で試験機にかけたところ、変な音がした。「うわ・・・」。びっくりするくらい変形している。期限まであと2か月。スケジュールは押している。重苦しい空気が流れた。

技術者になれた、そう思えた瞬間。

改善策が出ない。焦る。時間と現実の板挟みに苦しんだ。救いは個人戦じゃなくて、チーム戦だったこと。一人だったら諦めていたかもしれない。あいつも、あの人も、みんなが頑張っている。自分ももう少し頑張ってみよう。毎日夕方になると、オフィスのあちらこちらからホワイトボードの前に人が集って、議論が始まる。「明日の朝にはいい検討結果を聞かせてくれよな」。上司から本気とも冗談ともわからない指示が出て、みんなで苦笑いしたことも。ここまで来たら絶対にやり遂げたい。アイデアの一つがうまくいった。コンペになんとか滑り込めた。「決まりました!」。営業担当から連絡が入り、チームに歓声が上がった。技術者は失敗を重ねることで前に進むのかもしれない。トライアンドエラーの最中は本当に苦しい。逃げ出したくなる。「しんどい」が99%。でも、その先に1%の「楽しい」がある。その味を一度知ってしまうともう戻れない。今日もまた、1%を求めて99%の中をもがき続けている。

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