立ち向かってきたこと

先輩社員インタビュー

技術者は誰もが、<br>野心を内に秘めている。
  • Interview

技術者は誰もが、
野心を内に秘めている。

軸受事業部生産技術部

to face 立ち向かっていること
  • 工場の作業者の役に立つ生産設備を設計すること
  • 電気技術者としての実力を高めること

素のままの自分でいられる

大学では体育会ラクロス部に入った。大学から始める人が多いラクロスならレギュラーを狙えると思ったから。3年のとき、選手として脂が乗っているタイミングで膝の靭帯を切断。1年間を棒に振ったが、4年生でレギュラーに復帰。リーグのベストプレーヤーにも選ばれた。挫折しても諦めなければ結果はついてくる。「きっと仕事も同じ」。どこに入っても頑張ればいいだけ。中西金属工業を選んだのは伝統のある会社で安定して働けると思ったから。ベアリングリテーナーで世界シェアトップクラス、100年近い歴史もある。座談会で社員どうしが会話をしている雰囲気をみて、自分に合ってそうだなと思った。なんとなく自分と同じ温度感がして、会話のリズムも合う。ここなら素の自分のままでいられる。就活なのに不思議と気負わずにいることができた。地元大阪で働けるのもいいと思った。

設計思想を考えるのは主担当である自分自身。

電気設計技術者として生産技術を担当。3年目に初めて主担当になった。任されたのは、80tプレス機のブランク供給取り出し装置。ブランク材と呼ばれる丸い鉄板を、プレス機に一枚ずつ供給する。従来は作業者が重い鉄の材料を1枚ずつ手でセットしていた。幅の広いコンベアの上にランダムに置かれたブランク材の中から、カメラが最適な状態にあるものを見つけ、六軸の多関節ロボットが自動でセットするしくみ。ハードとソフトの両方を自分が設計した。必要な知識は2年間で蓄積できている。自信はあった。これまでのやり方を応用すればできるはず。ところが、やってみるとうまくいかない。試行錯誤の中で気づいた。設計とは単なる技術の組み合わせではない。先人の仕事から技術を学ぶことはできても、ベースとなる設計思想を考えるのは主担当である自分にしかできないこと。誰のために、何のために、この設備はどうあるべきなのか。自分で答えを出すしかない。そう気づくと、他人の設計がまったく違ったものに見えた。

やっと技術者の入り口に立てた。

最後まで悩まされたものの一つ。それがカメラの精度だった。カメラは製品を白と黒で判断する。一番上のブランク材を白く浮かび上がらせることで、カメラに認識させたい。ところがななかなか精度がでない。詳しくは言えないが、この時はある方法を応用することで、認識率が一気に上がった。自分のアイデアが活かせた。最後は先輩たちの力を借りながらも、予定通り現場に据えつけることができた。この設備によって作業効率は2割アップ。現場の人にも喜ばれた。ただ、完成度は決して高いとは言えず、今見直すと恥ずかしくなる。それでもやり切れたことは自信になった。やっと技術者の入り口に立てた気がした。ここから一歩一歩這い上がっていく。うちの技術者は誰もが野心を内に秘めている。決してひと真似はしない。論理的思考、スピード、マネジメント力。すべてにおいてまだ圧倒的に負けている。1日も早く近づきたい。そして、いつか追い越してみせる。

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