立ち向かってきたこと

先輩社員インタビュー

それは誰かの役に立っているか。<br>私たちの、ものづくりの思想。
  • Interview

それは誰かの役に立っているか。
私たちの、ものづくりの思想。

輸送機事業部企画部(男性Tさん) / 輸送機事業部企画部 技術開発グループ(女性Cさん)

to face 立ち向かっていること(Tさん)
  • 物流業界における新しいクラウドサービスの構築
  • 使う人の日常の風景を変えていくこと

ものづくりのすべてに関われるから

修士卒。研究室ではナノテクに近い基礎研究をやっていた。研究はおもしろかったが、結果が世の中に影響を与えるまでの時間軸が非常に長いと感じた。そこで、もっと短いスパンで影響を与えるようなことをやってみたいと考えるようになった。先に製造業へ就職していた大学の先輩の話によると、大手企業では設計、開発、生産管理と役割が細分化されているケースが多いらしい。けれど、実際にやってみないと自分にどんな仕事が向いているかわからない。だったら最初の企画から世に送り出すまでものづくりを一貫してできる会社がいい。それがNKCを選んだ理由

to face 立ち向かっていること(Cさん)
  • ROBO Square(ロボスクエア)の大幅改変プロジェクト
  • ものづくりによって働く人の苦しみを削減すること

ちょうどいい規模感だったから

修士卒。研究分野は伝熱工学。最初はメーカーで基礎研究を続けようと考えていたが、就職活動中に「なにかを形にする仕事がしたい」と考えるようになった。昔から絵を描くことや、ものをつくることが好きだった。自分らしく生きようと決めて方向転換。合同説明会でNKCに出会った。「ものづくり」をするにはちょうどいい規模感だと思った。それにクロスパークなどがあって、先進的で創造性のある雰囲気にも惹かれた。ワークライフバランスが考えられていることもいい。ここなら長く働けると思った。

部品の一つ一つに、思想を刻み込む。

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Cさん

はい、ずっとROBO Square(ロボスクエア)という物流ロボットの開発をやってきました。重い荷物を人の代わりに積み下ろしするためのロボットで、倉庫内を自律走行し、AI制御のロボットアームで作業をします。入社4年目の今年、ロボスクエアの量産化に向けた見直しをすることになった。私は機械的な面での改善案を検討して、図面化までを手がけました。今回の改変ではとても良い経験ができたと思っています。
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Tさん

良い経験ってどんなこと?
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Cさん

機械設計には正解がないんですよ。機能を満たすだけならいくらでもやり方はあるけれど、実際には動きの質、素材の特性、つくりやすさ、コスト面など、検討すべき点が山ほどある。それら一つひとつを考え尽くして、どう組み合わせるか。例えばL字型の部品をつくるとします。二枚の板を溶接してつくるとコストが高くつく。ところが、一枚の板を曲げてつくることによって、コストを抑えることができる。3年間の経験を通して少しずつ見えるようになってきた。今回の開発ではそんな手応えを感じることができました。
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Tさん

開発者としての力がついてきたことを実感できた、と。
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Cさん

そうかもしれない。たしかに部品一個一個の作りやすさといった視点まで、最近は目が届くようになってきた。部品数を減らせるとコストダウンになる。組み立て易くもなる。そうなると、生産スペースも小さくて済む。納期の短縮にもつながる。部品は何百個、何千個とあります。その一つひとつに思想を入れていく。ただこの形にすれば良い、強度が持てばいいっていうんじゃなくて、トータルでどうしたらいいのかを考えられるようになりました。
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Tさん

「思想を入れる」っていい言葉だね。
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Cさん

部品の1つ1つに思想を詰めていくと、全体ではだいぶ変わる。それが製品としての価値につながる。お客さんに出せる金額が下げられるし、買うハードルが下がれば、満足度は上がる。そういったところまで視野が広がって、開発という仕事が一層おもしろくなりました。

製品に、人が合わせるのではない。人に合わせた、開発をする。

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Tさん

「ものづくりを最初から最後までぜんぶ経験したい」と言っていたので、それならと新規事業に配属されたのかもしれないですね。
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Cさん

うちの会社らしいと思う。
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Tさん

立ち上げメンバーは、部門責任者の部長、開発の先輩一人、新入社員の僕の3人。Cさんの話にもあった通り、輸送機事業部は数年前からロボットや自動倉庫など知見のあるハードウェア面から物流分野に力を入れてきたのですが、ソフトウェア的な面からも新しいサービスを考えようとなった。そこで自社の物流を見渡して目についたのが、「トラックの求車システム」です。工場から製品を出荷する際、メーカー(荷主)は運輸業者に依頼してトラックを手配し、段階的に担当のドライバーや車両の情報をやりとりします。でも、このやりとりはいまだに電話やファックスがほとんど。ここをクラウドのサービスで一括管理できるシステムをつくれば、荷主、運送業者、ドライバー、みんなの役に立てるんじゃないかと考えました。
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Cさん

たしかに物流の世界ってまだまだアナログなところがいっぱい残っている。
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Tさん

まずは業務内容を理解するところから始めました。当社と取引のある運送業者さん数社に話を伺いました。トラックの種類や大きさはどうやって決めているのか?料金はどうやって決まるのか?どのタイミングで配車を決めるのか?メーカーさんの工場を訪問して取材したり、ドライバーさんの横に乗せてもらって往復7時間話を聞かせてもらったこともあります。実際の作業をストップウォッチで測って記録していくんです。そんなことを半年くらいやりました。
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Cさん

そんなにやったんだ、すごいね。私も作業現場に行かせてもらうことがあるけど、現場でしかわからないことがいっぱいあります。
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Tさん

ヒアリングの数を重ねるたびに聞くポイントが深まっていくんです。ヒアリング結果を持ち寄って、ホワイトボードで書き出して、ディスカッションを繰り返しました。何が肝なのか。業界全体を広くカバーしていくためには何があればいいのか。運送会社さん、荷主さんによってやり方がぜんぜん違う。現場の形は組織の歴史が作ってきたものです。その事実を理解した上でないと、使ってもらえるシステムはつくれない。「システム化すればもっと便利になりますよ」なんて、気軽に口にできるものではないことを痛感しました。
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Cさん

機械やシステムに人が合わせるんじゃなくて、使う人に合わせた開発をする。それはNKC全体に共通する思想だと思う。
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Tさん

開発段階に入ってからは、どうやったらもっと使いやすくなるのかを考え続けました。ボタンの位置、色、形。まさにさっきの「思想」ですね。少しでも使いやすくなれば、使う人の人生をほんの少しよくできる。細部にもこだわった。試用段階では使用者さんから厳しいアドバイスをいただくこともあった。それでも一つひとつの声に耳を傾けながら、リリースまで漕ぎ着けることができました。おかげさまで「便利になった」と喜ばれる声をたくさんいただいて励みになっています。いまも使用者さんからいただく生のフィードバックから、新しい機能を追加し続けています。

使う人の気持ちを見つめるものづくり。

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Tさん

物流業界はこれまで人の手によって支えられてきました。ものを運ぶ、積み下ろしをする、それらの作業を少しずつ自動化、システム化することで人間を重労働から開放してきた。Cさんや僕のやっていることも、その歴史の延長にあります。たとえば、輸送業界ではドライバー不足が大きな問題になっていて、2024年問題といわれる大変革がまったなしでやってきます。僕らはそこにどう関わって、どう貢献するか。アプリを1つ世に出したから終わりというものではない。そんなふうに意識が変わりました。
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Cさん

私も実際に荷物の積み下ろしをされている現場にお話を聞きにいくことがあります。見ていると30キロほどもあるダンボールを2時間近くひたすら下ろす仕事をされている。重労働で辞める人が本当に多いとも聞きました。そういう人の負担を軽減することに貢献したいと思うようになりました。
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Tさん

「人の役に立ちたい」とは思っていたけど、現場で働く人たちの日常を知ることで、よりリアルにそう考えるようになりました。
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Cさん

現場の人にロボスクエアを使ってもらったときに、「こんなに楽になるなんて、泣きそうだ」と言って喜んでくれたことがありました。私の方が感動して泣きそうになった。もっといいものをつくろうと思いました。
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Tさん

アートは表現することで心に働きかけ、エンジニアリングは実質的な役割を果たすのかな、と。僕はエンジニアの側に惹かれるものがある。使っている人に「最近なんか楽になってきたなあ」と思ってもらいたい。使う人の体験を通して、何かを変えていきたい。
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Cさん

機能を満たすのは大前提で、そこにどれだけアートの要素を入れていけるか。そこを私はやってみたいかな。たとえば、私が開発しているロボスクエアって高さが2メートルあって、腕を伸ばすと3メートルくらいになる。重さも2.5トンもあるので、「威圧感があって怖い」という声も実際にある。どうやったら親しみやすさを感じてもらえるか。今、カバーをつくるというアイデアがあって、私もデザインしてみたいと思っています。
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Tさん

それはアートとエンジニアリングの融合だよね。ぜひCさんのデザインしたロボスクエアを見てみたいなあ。
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Cさん

私、いま陶芸教室に通っているんですけど、最初に絵を描いて出来上がりをイメージするんですが、焼き上がりはどうなるかわからない。だから窯から出てくる瞬間に毎回感動がある。それって開発の仕事にも通じているんです。先日、ロボスクエアのリフト部分ができてきたのですが、考えに考えて図面を描いたものだったのに、実際にできたのをみると想像をはるかに超えていいんですよ。丈夫だし、全然揺れない。「やった!」って気持ちになりました。
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Tさん

そうですね、いろんな可能性に食らいついていくような、そういう肚のある人間が向いているんじゃないかな。
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Cさん

設計全体関わりたい人。それから、若い時から自分の意志を生かした設計がしたい人。そんな人は向いていると思います。うちは少人数で開発することが多いので、年齢や経験に関係なくアイデアを求められる。そこが面白い部分かな。
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Tさん

やっぱり僕らは誰かのためにものづくりをしている。単純に工数だけで測れるエンジニアリングだけではなく、我々を信頼して期待してくださっているお客様との人間関係、信頼も非常に重要。そこもまた魅力かなと思います。
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